マス見本作り
新作のボウタイブラウスは、ブランドオリジナルの色出しにこだわり、シーンに合わせて着用いただけるクラシカルな柄をセレクトして作っています。生地は、柔らかでふっくらとした肌触りとシルクのような光沢を持つシルデューサテンを使用。また、ポリエステル素材のプリントで一番難しいと言われているのが、繊細な色出しです。特にベージュやグレーなどの調色が難しく、配色伝票に基づきながら何度もブランドやメーカーと「マス見本」と呼ばれる色合わせを行いながら、色や柄の線の太さの調整を重ねていきます。プリントに必要な「CCK調液」と呼ばれる染料が混ざった糊作りは長い経験と高い技術が求められ、地色との配色バランスや季節、機械の状態を見ながら慎重に調色していきます。
捺染(プリント)・蒸し
小紋プリントは最初に生地全体を色染めし、柄の模様部分の色を抜きながら染めていく技法。柄を彫刻したロールを使い、凹んだ部分に糊入りの染料を流し込んで布地に捺染していきます。捺染された生地はスチームアイロンのような高温の蒸気で蒸すことで、染料を発色・定着させます。プリントされたばかりの布地は糊が付いた状態なので、パリパリと堅いのが特徴。特にポリエステルを染めるマシンプリントは加工が難しく、世界でもこの京都の工場にある1台のみと言われています。長い経験を持つ匠と希少な機械によってプリントされた生地は、仕上げ加工工場へと受け渡されていきます。